株式会社フォレストシーは、携帯圏外も多い厳しい山間部において、独自無線GEO-WAVEを活用した広域IoT通信インフラを構築することで、双方向通信による利用者のコミュケーションや緊急時の通信手段の確保を可能とする製品及びサービスを提供しています。

 

GEO-WAVEは、見通しがあれば最大100~200kmもの長距離通信ができるフォレストシー独自の無線技術です。

利用者は小型軽量で携帯しやすいGeoChat端末とスマホ専用アプリを使うことで携帯圏外でもチャット連絡ができるようになり、さらに中継機・親機を介してクラウドと繋がることで、携帯圏内外を意識することのないシームレスな情報の伝達を可能にします。

1. Polar を活用いただいている施設を教えてください。

 

  •     弊社のサービスを活用いただいている企業や自治体は業界も多岐に渡りますが、ポラールのデバイスと連携し心拍数を計測することによって体調管理を可能とするGeoVitalは、主に京都府南丹市日吉町の日吉町森林組合様を始めとする、林業従事者の方向けに利用がスタートしています。

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2. どのようにPolar のデバイス・サービスをご活用されているか教えてください。

 

 現場の職員一人ひとりの体調や安全を見守るために活用され始めています。

職員の心拍数をリアルタイムで計測し、位置情報を含むSOS発信機能やチャット機能のある携帯無線機GeoChatを介して、現場の仲間だけでなく離れた事務所からの見守りが可能になりました。

 

今後は利用者に固有の心拍数の閾値を決めてもらうことで、閾値を超えると利用者のアプリ上で注意喚起したり、自動でSOSを発信する機能も追加で開発予定です。

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3. Polar のデバイス・サービスを導入して頂いたきっかけ・理由を教えてください。

 

 林業は働いている人の安全を守ることが非常に重要です。

 

日吉町森林組合では、過去に現場で被災した職員が助けを求めた際に、重機やチェーンソーが大きな音をたてている中で、声を出しても気づかれなかったということがあったそうです。

被災した場所がたまたま携帯で電話がつながる場所で良かったものの、今後の安全対策に本格的に踏み切るべきだと考え、導入いただくきっかけとなりました。

 

また林業の現場は非常に過酷で、炎天下での作業の際には熱中症リスクも高まります。山間部への救助には時間もかかるため、労働災害のリスクを事前に防ぐことが重要です。

 

日吉町森林組合様では、職員の心拍数を計測し労働安全の管理を実現できることにご期待いただいて、体調や安否を見守ることができるGeoChat・GeoVitalの導入につながりました。

4. Polar のデバイス・サービスを活用しての感想と感じている効果・利点を教えてください。

 

 これまでは一度山に入ると、その場所が携帯圏外であれば事務所に戻ってくるまで連絡が取れないという状況でしたが、GeoChatを導入したことで、現場職員の位置情報を定期的に確認できたり、チャットで連絡も取り合えるため安心感が高まったと聞いています。

た心拍数を計測できるGeoVitalの機能を利用すれば職員の体調も常に見守れるため、現場や事務所の職員同士の安心感もさらに高まると考えています。

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5. 実際に使用されている方からの評判はいかがですか?

 我々フォレストシーも通信機器の設置等で山間部に入る際に実際に使用していますが、Polarのデバイスは軽くて着け心地が非常に良く、また心拍計測の精度が高い点が信頼できます。

 

今後は林業現場における使い心地などを聞いてみたいと思っています。

 

6. 今後更にどのように活用していきたいと考えていますか?

 

 現在は心拍数の計測による体調管理までに留めていますが、今後は心拍数に基づいた熱中症リスク判定や加速度センサーによる転倒検知などにも対応することで、利用者が自身の判断でSOSを発信できずとも、自動でSOSを発信できるようになればと考えています。

 

また、林業だけでなく山間部など電波の届かない場所で作業を行う必要がある電力会社や工事現場の作業員など、現場の方への見守りを含めた弊社サービスの導入を拡大していきたいと思っています。



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「IoTで人と自然の共生を」というメッセージを理念に掲げている同社のビルの周りには、森をイメージした植栽や渓流が再現され、近隣の方の癒しにもなっています。